ボール奪取、縦への展開、3人の連携からメッシのゴール!
ボール奪取、縦への展開、3人の連携からメッシのゴール! |
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目的
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概要 |
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ラーヨ・バジェカーノ戦で決めたメッシのゴールを振り返り、分析してみよう。速攻と選手のポジショニング。 |
オーガナイズ
リーグ戦最終節から一つ手前の試合、ラーヨ・バジェカーノ対バルセロナ。感想から言えば、素晴らしい試合だった。ラーヨ(マドリードで3番目のチームにあたる)は、攻撃的で、状況を読む力があり、パスを多用するとてもスペイン的なサッカーをするチームである。バルセロナに関しては説明の必要はないでしょう。最終的な試合結果(5-1でバルサの勝利)もさることながら、カウンターと攻撃をひたすら繰り返していた。
今回、振り返るのは前半23分あたりのプレーだ。エンリケ率いるチームは、すでに1分前のラキティッチのゴールで1-0 と先制していた。ボールをキープしていたラーヨ。下の画像を見て分かる通り、ラーヨは、二人のセンターバックが広がって距離をとり、ボランチの選手が間に落ちてくるようにし、ピッチを広く使おうとしています。バルセロナは、パスコースを切りながら、ボールホルダーへアプローチ。ディフェンスの人数が揃っている外側に追い込もうとしています。
しかし、ラーヨのパスワークは素晴らしいクオリティーを見せ、このバルセロナの追い込みを上手くかわすことに成功。イニエスタはすぐさま次のボールホルダーへプレッシャーに行く。ラーヨのボランチは、作戦通り縦にボールを出す。マスケラーノはインターセプトのポジションを取る。
マスケラーノは、奪ったボールをそのまま前にいるメッシへ。メッシはさらにゴールへのスピードを上げるため、コントロール・オリエンタート(方向付けされたボールコントロール)。
メッシは中央を駆け上がる。スアレスは、右側のスペースに向かって走り出す。ネイマールは左サイド。
この3人での攻撃の形は、まさにマニュアル通り。この状況は監督が作り出したものだ。3選手は、全員が揃ってゴールに向う体の向きを走りながら作っていた。スペースは最大とは言えなかったが、十分だった。
3人の動き出しやポジショニングはルイス・エンリケの仕事による賜物で、そこから次のプレーが実現できたのは、バルサが誇る3人の怪物が持つクオリティーによるもの。メッシが縦にいるネイマールへパスを送る。このパスのスピードと精度は共に完璧だった。
ネイマールはファーサイドへ走り込むスアレスにクロスを出すかのようなボディフェイント。こうして、すぐ後ろにいたデフェンスの動きを鈍らせ、後方にいるメッシへバックパス。メッシが外すわけもなく冷静にゴール。
この試合、ラーヨは最終的に2人の退場者を出し、9人でプレー。しかし、ラーヨは最後までスタイルを変えることなく、強敵バルセロナ相手に自分たちのプレーを続けた。この攻撃は、質の高いプレーによって作り出された教科書通りのものだ。しかし、言うまでもなく、このように選手たちを幾何学的に配置したルイス・エンリケにも拍手を送る必要がある。